【悲報】「救急車がコンビニで休憩して良いのかよ!」という苦情のせいで消防署員が疲弊する

クレーマー君

おいおい、救急車がコンビニで休憩してたぜ?

税金で飯食ってる救急隊が、堂々と仕事をサボっても良いのかよww

 

 

今回はこんなクソみたいなクレームについてお話していきます。

 

 この記事の想定読者はこんな人です

 

「救急車がコンビニで休憩しても良いのかよ!」」と言いたくてウズウズしているクレーマーの方

 

想定している読者は「救急車がコンビニで休憩しても良いのかよ!」と言いたくてウズウズしているクレーマーの方です。

 

 

東京消防庁、田舎消防を経てフリーランスとして生活している40代akira-san(@akira_blogger)です。

 

 この記事を書いたボクの経歴です

 

ボクは東京消防庁と某田舎消防で、通算19年間消防士として働きました。

19年の消防人生のうち、専任の救急隊として5年間活動した経験があります。

 

今回は、「救急車がコンビニで休憩しても良いのかよ!」と言いたくてウズウズしているあなたに、ボクの実体験をもとに、「あなたのク〇みたいな苦情は、全国の消防署員を疲弊させるんですよ」ということをお伝えします。

 

ちなみにボクは以前、こんなツイートをしました。

 

 

救急隊員が自動販売機でジュースを買っているぞ
消防隊員がTシャツ1枚で消防車に乗っているぞ
消防や現場のことを知らずして、軽はずみな発言、クソみたいなクレームをすることは、消防職員のモチベーションを低下させ、あなたが助けを求めた時には、適切な処置を受けられないかもしれません#消防士

— akira-san@元消防士 (@akira_blogger) August 2, 2022

 

特に今回は、このツイートの後半部分である「消防や現場のことを知らずして、軽はずみな発言、クソみたいなクレームをすることは、消防職員のモチベーションを低下させ、あなたが助けを求めた時には、適切な処置を受けられないかもしれません」ということについても補足していこうと思います。

 

 先に結論です

 

とにかく黙れ!

 

では始めますね。

 

【疑問】「救急車がコンビニで休憩して良いのかよ!」というのはそもそも苦情なのか?

 

いきなり結論ですが、苦情の他なりません。

 

 

クレーマー君

は?苦情w?

民主主義の世の中だから、意見するのは自由なはずだぜ?

 

 

「救急車がコンビニで休憩するのは良いのかよ!」という意見に対して、あなたはこういうことで論破するかもしれません。

 

確かに、一般市民の方が公的機関に対して意見する権利はあります。

 

ぶっ飛んだ価値観や、ありえない主張であったとしても、それを尊重するのが筋ですし、民主主義だと思います。

 

 

まあ、無理難題な苦情がたくさん寄せられるのが公的機関ってもんです。

 

 

しかし、消防組織のことを何も知らずして、屁理屈をごねるのは大間違いです。

 

屁理屈で論破したあなたはスッキリしているかもしれませんが、実際はこんな感じです。

 

 

ケッケww

また面白いヤツが電話してきたぜww

ヒマか?ww

 

 

まったくクソですよね~ww

 

 

消防署の事務所ではボロクソのクソカスです。

 

ちなみに、今回お話している「救急隊員がコンビニで休憩」以外にも、消防署に寄せられる意味不明な苦情はたっくさんあります。

 

たとえば、

 

救急車がハイビームだった

ワシの家の前はサイレンを消せ

消防車のアクセルを吹かし過ぎでうるさい

消防隊員がTシャツ1枚で消防車に乗っていた

公務員なんだからスーツを着て、ネクタイして通勤しろ

消防車でスーパーに乗り付けて、隊員が買い物に行っていたぞ

 

こんなのです。

 

 

ホントに呆れます。

 

 

あなたはクレーム対応した消防署員から、「貴重なご意見ありがとうございます!」、「今後ともご指導よろしくお願いします!」と言われてドヤ顔しているかもしれませんが…

 

実際のところ、消防署員はあなたのことをディスりまくっています。

 

あなたの意味不明な苦情で、勉強になることなんてあるわけないでしょ?

 

目を覚ましてくださいね。

 

【事実】「救急車がコンビニで休憩している」のは緊急事態なんです!

 

クレーマーくん
救急隊員さんたち、救急車の中で楽しそうに話しながらコンビニ弁当食ってたぜww?

 

 

「救急車がコンビニで休憩している」というのが緊急事態であることが想像すらできないあたなたは、実に残念すぎる人間です。

 

救急隊員であれ消防隊員であれ、消防署で食事を摂るのが基本です。

 

出動をして、現場活動をして、傷病者を病院へ搬送して、資器材の清掃をして、消防署に戻って…

 

ようやくホッとできるのが消防署の食堂です。

 

ボクも長年消防士として働いてきたので分かりますが、できることなら消防署で食事や休憩を摂りたいんです。

 

 

ぶっちゃけ、救急車や消防車で休憩してもリラックスできませんし、車内でコンビニ弁当を食べても美味しくありません。

 

 

あなたは、得体の知れない菌がウヨウヨと漂っている部屋の中で食事を摂りたいですか?

 

救急車ってね、不特定多数の病人やけが人を搬送するので、かなり汚染されているんです。

 

 

あ、誤解のないように。

もちろん、次の出動までには除染します。

 

そんな空間が好きで食事を摂る人がいますか?

 

救急隊員たちは、いわばそういう空間で弁当を食べているわけです。

 

つまり、出動が頻発しすぎて、消防署に戻る時間が微塵もないってことです。

 

これが想像できなければ、命をすり減らして活動している救急隊員のために、軽はずみなクレームはやめてください。

 

【悲報】とはいえ消防組織にも問題がある

 

基本的に公務員は、「市民様からの厳しい目」に敏感です。

 

何か苦情が寄せられると、丁寧過ぎる対応と謝罪をしてしまうのが消防組織です。

 

このニュース、ご存じでしょうか?

 

消防隊員らアイス購入、住民が気付くと慌ててサイレン鳴らし走行…市消防局「体調維持とは無関係」

救急搬送を終えて消防署に戻る途中にアイスクリームを購入し、その後に救急車のサイレンを鳴らして走行したとして、大阪市消防局が隊員3人に対し、訓告などの処分をしていたことがわかった。

大阪市消防局
市消防局によると、3人は2020年12月8日夕、市内の病院に患者を搬送。署に戻る途中に2人が店舗でアイスを購入した。制服姿だったため住民が声をかけると、隊員は慌てて救急車の赤色灯をつけ、数十秒間サイレンを鳴らしながらその場を離れたという。住民が通報して発覚した。

市消防局は勤務時間中に出動が連続したり、長時間に及んだりして十分な水分補給ができない場合、水などを買うことは認めているが、アイスの購入については「体調維持とは関係がない」と判断。赤色灯の点灯とサイレンの使用は出動指令を受けた際などに限られており、市消防局は昨年2月、3人を訓告、訓諭、指導の処分とした。

消防隊員の勤務中の飲食物購入については、隊員の体調管理の観点から認めている消防本部も増えている。千葉県船橋市消防局は、救急搬送後に隊員が売店などで購入したものを飲食することがあるとのチラシを作成。名古屋市消防局も救急隊員がコンビニなどで水などを購入する場合があると公式ツイッターに投稿し、市民に理解を求めている。

引用元:読売新聞オンライン 2022/04/05 13:19 https://www.yomiuri.co.jp/national/20220405-OYT1T50101/

 

これが消防組織の現状を表した良い例です。

 

のどが渇くのは生理現象ですし、個人差もあります。

 

大阪市消防局は「体調維持に関係がない」という見解ですが、そんなの本人にしか分かるはずがないんですよ。

 

体調なんてその人にしか分からないですし、たまたますっごく疲れた現場活動の後だったのかもしれません。

 

 

救急隊員への聞き取り調査で、無理やり言わされた感がアリアリです。

 

ジュースを飲もうが、アイスクリームを食べようが別に良いじゃないですか。

 

大阪市消防局の会見ははっきり言って逆効果です。

 

隊員たちも、面倒なことになるのを恐れて、サイレンを鳴らしてその場から逃げてしまったんでしょう?

 

そう考えると、大阪市消防局の組織風土もあまり良くないのかもしれませんね。

 

消防職員に限らず公務員って、税金で飯を食っているので立場が弱いんですよ。

 

 

ボクは田舎の消防本部で長く働きましたので、それを体感してきました。

 

 

消防組織がこんなにも市民に対して丸腰なのは、あくまでも組織を守るためなんです。

 

 

クレーマーくん

救急出動が頻発したらコンビニでの休憩はOKなんですよね?

じゃあ何件出動すれば頻発なんですか?

15件?20件?

それ以下ならコンビニでの休憩は職務怠慢になるよねww

 

 

こんな一部の市民のために、消防組織は予防線を張るわけです。

 

しかもクレーマーへの対応が下手なので、どんな苦情であれ、とにかく謝罪してしまいます。

 

これでは結局、逆効果なわけです。

 

クレーマーは付け上がり、事あるごとに横槍を入れてきます。

 

にもかかわらず、消防組織の幹部は消防署員に対して厳しいことを言います。

 

 

この前のクレーム、懇切丁寧に対応してくれたんだろうな!

 

これは本当によろしくない風潮です。

 

クレームに対して毅然とした対応ができないばかりか、そのしわ寄せを消防署員に向けるという組織体制が、そもそもの問題なんです。

 

 

日本全国の消防組織が変わることを期待しています。

 

最近、さいたま市消防局が、公式ツイッターで「救急隊に食事の時間を!」と投稿され、15万以上の「いいね」が付きました。

 

多くの市民の方が、救急隊のコンビニでの休憩に理解を示している証拠です。

 

そして何よりも、さいたま市消防局が組織として意見したことに意義を感じます。

 

日本全国の消防本部もさいたま市消防局を見習って、毅然とした対応のできる組織を構築して欲しいと思います。

 

【結論】「救急車がコンビニで休憩しているけど…」という苦情は、全国の消防署員を疲弊させます

 

以下のツイートを見てください。

 

 

「救急車がコンビニで休憩して良いのかよ!」という苦情は、全国の消防署員を疲弊させる理由は、このツイートがすべてです。

 

 

クレーマーくん

は?

こんなことで疲弊するの?

あんたらプロでしょ?

 

 

あなたがもしこうお考えなら、消防署員たちにメッタ斬りにされれば良いかと思います。

 

しかしそのせいで、一生懸命働いている消防署員たちが、大きなダメージを受けることを知って欲しいと思います。

 

「救急車がコンビニで休憩してい良いのかよ!」という苦情で消防署員が疲弊する理由1:膨大な事務処理

 

どんな苦情であれクレームであれ、消防署ではその事実関係や履歴を記録しています。

 

特に今回のような「救急車がコンビニで休憩して良いのかよ!」というクレームは、社会的な影響が大きく、事務や報告に膨大な時間と労力が割かれます。

 

 

この処理は、自治体や消防組織によって違いますが、ボクが働いていた田舎消防ではかなりの事務量でした。

 

 

つまり…

 

ただでさえ膨大な事務処理に忙殺されている消防署員が、さらに余計な事務で疲弊させられるわけです。

 

近年の消防署って昔のようにヒマではないんです。

 

市民サービスが増えたことにより、それに伴う事務量がホントに多い。

 

あなたのクレームのせいで発生した余計な事務は、消防署員たちの貴重な仮眠時間や休憩時間を削ります。

 

もちろんその間に出動があれば、事務はストップしますし、現場活動でクタクタになって消防署に戻ればまた事務が待ち受けています。

 

苦情の入った当番日は地獄です。

 

「救急車がコンビニで休憩して良いのかよ」という苦情で消防署員が疲弊する理由2:消防署員が委縮する

 

さらなる問題は、苦情やクレームのせいで、消防署員が委縮してしまうということです。

 

 

消防長の名を汚さないように、市民様を敵に回すんじゃねえぞ!

 

 

あくまでも「市民目線」ですからね、休憩は消防署で取ってくださいね。

 

 

必要以上に苦情に敏感な幹部たち。

 

消防署員の行動がどんどん制限され、少しずつ疲弊していくわけです。

 

救急車がハイビームだった

ワシの家の前はサイレンを消せ

消防車のアクセルを吹かし過ぎでうるさい

消防隊員がTシャツ1枚で消防車に乗っていた

公務員なんだからスーツを着て、ネクタイして通勤しろ

消防車でスーパーに乗り付けて、隊員が買い物に行っていたぞ

 

上記は記事の前半でご紹介したクレームです。

 

これらは、ボクが働いていた田舎の消防本部で実際にあったクレームです。

 

この手のクレームに、当時の幹部たちは丸腰でした。

 

実際に市民からのくそクレームのせいで、夕食の食材の買い出しが禁止になった記憶があります。

 

 

締めに締め付けられた職場環境では、当然、消防署員たちは疲弊していきます。

 

ただし、プロとしてのプライドがあるので、そう簡単にモチベーションを下げることはありません。

 

しかし、心折れることもあります。

 

意味不明なクレームを言ってくるのは、あなただけではないからです。

 

クレームのたびに、組織の幹部は敏感になり、事を荒げないようにと消防署員にしわを寄せます。

 

繰り返しになりますが、これは消防組織の腐った風土のせいでもあります。

 

このような環境下では、現場活動にも影響しかねません。

 

あなたが倒れた時、あなたの家が火事になった時、駆け付けた救急隊員や消防隊員は、あなたのクレームのせいで疲弊した人たちかもしれません。

 

そのことを理解してください。

 

【さいごに】救急車がコンビニで休憩しなくても良い環境を作れよ、総務省消防庁さん

 

さいごに少しだけボクの意見を。

 

総務省消防庁へのお願いです。

 

消防職員の人数を圧倒的に増やしてください。

 

もう限界が来ているはずです。

 

日本の消防組織において、消防と救急のセクションを切り離す時期が訪れているのではないでしょうか?

 

消防法第一条の改正は正しかったのでしょうか?

 

消防力の整備指針に記載された、消防職員数や消防装備を達成できている消防組織がどれくらいあるのかご存じでしょうか?

 

都市部の消防本部と地方の消防本部との格差をご存じでしょうか?

 

日本消防協会、全国消防協会…このような天下り先が必要でしょうか?

 

現在はコロナ渦で、救急出動の件数が跳ね上がり、医療体制はもとより、全国の消防本部がすでに機能しなくなっていると聞きます。

 

こんな状況で、消防操法大会や救助技術指導会に税金を投入して良いのでしょうか?

 

毎当番、一睡もせずに現場活動をしているのは、普通の人間です。

 

彼らにもあなた方と同じように家族がいます。

 

現場の消防職員やその家族の命を守るために、しかるべき方向転換をしてください。

 

そして…

 

どうせ誰にも読まれないのではっきり言います。

 

総務省消防庁や関係機関の老害どもを一掃してください。

 

少しでも良心が残っているのなら、思い切った改革をしてください。

 

よろしくお願いします。

 

今回は以上となります。