東京消防庁と田舎消防の消防士の給料明細を見せてもらうことはできますか?
今回はこういった疑問にお答えします。
この記事の想定読者はこんな人です!
ボクはトータル17年間消防職員として働き消防士から民間企業に転職、現在は独立してフリーランスとして生活しています。
なお、これから東京消防庁や田舎消防を目指す人は、以下の「消防士になるためのリアルロードマップ」をご覧ください。
消防士になるには、一体何から始めれば良いんですか? 消防士の試験って、体力がそこそこあれば合格できるんですよね? 今回はこういった疑問にお答えします。 […]
今回は、『東京消防庁と田舎消防の消防士の給料明細』を包み隠さず公開していこうと思います。
ボクは東京消防庁と某地方消防で働いた経験がありますので、東京消防庁と田舎消防とではあまりにも給料が違いすぎる…という事実を知っています。
ちょっと宣伝です
なおこの記事とは別に、さらに踏み込んだ内容を「誰も知らない消防本部のスクリーニング方法」というnoteで公開しています。
ネットや書籍には一切載っていない生の情報です。
消防本部選びに失敗したくない人や、どこの消防本部を受験すべきか迷っている人向けの記事となっています。
気になる方は是非覗いてみてください!
※noteに無料登録すれば未公開部分が読めます。
先に結論です
では始めますね。
消防士は休みが多いって本当ですか? これから消防士を目指すのですが実際のところどうなんですか? 今回はこういった疑問にお答えします。 この記事の想定読者[…]
消防士のリアルな給料明細(東京消防庁編)
1.消防士の給料明細(東京消防庁消防学校時代)
手取り156,241円。
いわゆる初任給ですね。
田舎消防で働いている現役の消防職員の方なら分かると思いますが、消防学生でこの給料は破格ですよね。
2.消防士の給料明細(東京消防庁某消防署配属時代)
手取り274,806円。
現場配属1年目の12月の給料です。
3.消防士の給料明細(東京消防庁ボーナス)
手取り457,760円。
現場配属1年目の12月のボーナスです。
1年目のボーナスで夏冬あわせて手取りは1,000,000円近くありましたので東京消防庁はやはり日本一の給料体系です。
消防士のリアルな給料明細(田舎消防編)
1.消防士の給料明細(田舎消防の消防署配属時代)
手取り226,396円。
これはボクがとある田舎消防へ転職した12月の給料です。
東京消防庁と比較すると、なんと手取りで50,000円近くのマイナス…
2.消防士の給料明細(田舎消防のボーナス)
手取り328,085円。
これも東京消防庁と比較すると、手取りで130,000円近くのマイナス…
東京消防庁はいわば大企業
東京消防庁は一流企業レベルと考えていいかと思います。
民間企業で言えば、トヨタ自動車、JT、ソフトバンクなどに該当する感じですね。
給料も福利厚生も◎。
仕事は各スペシャリストがその分野の仕事をこなす感じです。
対して田舎消防は中小企業レベルと考えてください。
給料はそこそこ福利厚生もそこそこ。
仕事はなんでもやらされる…みたいな感じですね。
消防士の給料明細から分かる驚愕の格差【特殊勤務手当】
消防士の給料明細【特殊勤務手当の真実】
前項の画像をよく見て頂けると分かるのですが、消防士の給料明細に特殊勤務手当っていう項目があります。
東京消防庁と田舎消防では特殊勤務手当にかなりの格差があります。
現役消防士がこの事実を知ると結構ショックだと思いますので、在職中の方は心してくださいねw
東京消防庁の特殊勤務手当
1.出動手当
(1) 消防活動に従事した職員
一回
一時間未満 520円
(消防活動に従事した時間が一時間以上の場合は、一時間につき380円を加算する。)
(2) サリン等による人身被害の防止に関する法律(平成七年法律第七十八号)第二条に規定するサリン等、原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)第三条第五号に規定する放射線、放射性同位元素等の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十七号)第二条第二項に規定する放射性同位元素又は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第六条第二項に規定する一類感染症、同条第九項に規定する新感染症若しくはり患した場合の重篤の度合いがこれらと同程度と認められる感染症の病原体等が発生している状況下で、次の消防活動に従事した職員
ア 当該発生現場における消防活動
日額 5,500円
イ 当該発生現場の直近外周における消防活動
日額 2,600円
(3) 火災その他の災害に出場するために消防用自動車等の運行に従事した職員(職員の給与に関する条例(昭和二十六年東京都条例第七十五号)第九条の二に規定する給料の特別調整額の支給を受ける職員、東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例(平成十四年東京都条例第百六十一号)第二条第一項の規定により任期を定めて採用された職員及び東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例(平成十四年東京都条例第百六十二号)第四条第一号の規定により任期を定めて採用された職員(以下「管理職員」と総称する。)を除く。以下「機関員」という。)に対して、次の区分により支給する。
ア 一種 ポンプ車及びこれに準ずる消防用自動車等(以下「一群」という。)並びにはしご自動車及びこれに準ずる消防用自動車等(以下「二群」という。)が火災のために出場した場合
イ 二種 一群が救助活動、危険排除等のために出場した場合及び二群が救助活動のために出場した場合
ウ 三種 二群が危険排除等のために出場した場合
エ 四種 一群及び二群が救急活動のために出場した場合並びに救急車及びこれに準ずる消防用自動車等が災害のために出場した場合
一回
一種 700円
二種 650円
三種 600円
四種 220円
2.救急手当
(1) 傷病者の医療機関への搬送、救急処置その他の救急業務等の活動に従事した救急隊員(機関員を除く。)
一回
一時間未満 270円
一時間以上 380円
(1)については、(2)の受給者を除く。
(3)について、ア、イ及びウは、互いに併給しない。
(2) 救急隊員のうち、救急救命処置等の活動に従事した救急救命士(機関員を除く。)
一回
一時間未満 360円
一時間以上 500円
(3)
ア 傷病者の医療機関への搬送、救急処置その他の救急業務等の活動に従事した機関員(救急隊員に限る。)及び救急隊員以外の職員のうち当該活動に従事した職員
一回
一時間未満 200円
一時間以上 280円
イ 傷病者が心肺機能停止状態であるときに、傷病者の医療機関への搬送、救急処置その他の救急業務等の活動に従事した機関員(救急隊員に限る。)
一回
一時間未満 270円
一時間以上 380円
ウ 傷病者が心肺機能停止状態であるときに、救急救命処置等の活動に従事した救急救命士の機関員(救急隊員に限る。)
一回
一時間未満 360円
一時間以上 500円
(4) 車内消毒等を必要とする救護に従事した職員
一回 210円
3.火災調査手当
火災現場及び爆発現場又はこれらに関係ある場所並びに危険物の流出その他の事故(火災を除く。以下この項において同じ。)が発生した製造所、貯蔵所又は取扱所(消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第十条第一項に規定する製造所、貯蔵所又は取扱所をいう。)その他当該事故の発生と密接な関係を有すると認められる場所に立ち入り、火災、爆発及び危険物の流出その他の事故の原因又は火災及び爆発の損害の調査に従事した職員
日額 330円
4.査察業務手当
火災予防のため、消防総監が指定する消防対象物に立ち入り、高度の検査等の業務に従事した職員(消防総監が指定する者に限る。)
日額 300円
5.救出救助手当
(1) 火災、自然災害、交通、爆発、水難その他の災害における要救助者の救出救助業務等に従事した職員
日額 260円
(消防救助機動部隊に所属する職員には、160円を加算する。)
(2) 潜水業務に従事した職員
一回 840円
(3) 火災、自然災害、交通、爆発、水難その他の災害における要救助者の救出救助業務に従事した職員(救出救助された者が明らかに死亡していた場合に限る。)
一体
腐乱等 2,740円
通常 1,370円
(4) 火薬類を用いる業務に従事した職員
一回 460円
(5) 国際緊急援助隊の派遣に関する法律(昭和六十二年法律第九十三号)の規定に基づく国際緊急援助隊の活動が行われる海外の地域において、同法第二条各号に掲げる国際緊急援助活動(以下「国際緊急援助活動」という。)に従事した職員
日額 4,000円
(6) 災害対策基本法第六十条、第六十一条又は第六十三条、大規模地震対策特別措置法(昭和五十三年法律第七十三号)第二十六条その他の法令の規定に基づき、避難勧告、避難指示、立入禁止、退去命令等の措置がなされた区域内における活動に従事した職員
日額 1680円
6.高所活動危険手当
はしご自動車等を活用する高所(十メートル以上に限る。)での消防活動等に従事した職員
日額 220円
上記の他にヘリコプター従事手当がありますが、下記の地方消防と比較しやすいように割愛します。
東京消防庁の特殊勤務手当の項目が多い理由は、機関員をはじめとする全ての役割が資格制となっているためです。
地方消防の特殊勤務手当
1.救急救命士が、救急現場に出動し、救急救命処置を 行った場合
500円(深夜750円)/1件
2.救急現場に出動し、救急業務を行った場合
200円(深夜300円)/1件
3.消防用車両を運転して火災現場等へ出 動し、機関員業務を行った場合
300円(深夜450円)/1件
4.火災現場等へ出動し、消火作業また救助活動を行った場合
200円(深夜300円)/1件
5.潜水器具を着用上潜水して行う水難救助活動・捜索活動・訓練
300円/1件
6.地上また水面上10メートル以上足場不安定な箇所で行う消火作業・救助活動・訓練
220円/1件
たったこれだけ…残念ながらとある中核市レベルの田舎消防でこれくらいです。
まとめ:東京消防庁と田舎消防の給料の格差は手当にも有り
驚くべき格差ですね…実際のところは以下の感じです。
火事1件の手当
東京消防庁 ➤ 520円(追加料金380円/1時間)
田舎消防 ➤ 200円(追加料金なし、死ぬほど働いても200円)
サリンとか化学兵器がらみのヤバイ系の現場の手当
東京消防庁 ➤ 5,500円 2,600円
田舎消防 ➤ 0円
消防車の運転手の手当
東京消防庁 ➤ 700円
田舎消防 ➤ 300円
火災調査をした手当
東京消防庁 ➤ 330円
田舎消防 ➤ 0円
査察業務をした手当
東京消防庁 ➤ 300円
田舎消防 ➤ 0円
PTSDになるくらいの酷い事故で作業した手当
東京消防庁 ➤ 2,740円 1,370円
田舎消防 ➤ 0円
「現場活動を頑張ったら頑張った分だけ給与を支給しますよ」というのが東京消防庁。
職員のモチベーションを維持しやすい環境と言えます。
対して
「ウチは定額制で何でもやってもらうよ」という田舎消防。
まあ、ぶっちゃけブラックです。
田舎消防のブラックな一面は下記の記事で詳しく説明しています。
これから田舎の消防士を目指したいのですが、田舎消防がブラックと言われる理由を教えてください。 実は、色んな噂を聞くので本当のところを教えて欲しんです。 今回はこういった悩みにお[…]
【特別公開】消防士の本物の給料 明細 をお見せします!のまとめ
結論的には
ということです。
東京消防庁の給料はダントツで日本一の水準です。
ボクは東京消防庁から田舎消防に転職して唯一失敗だったな~って思うことはやはりこのお金のことです。
東京消防庁時代と同じ仕事量かそれ以上の仕事量をこなしても、給料は驚くほど低い。
さらにそれに追い打ちをかけるように、転職先の田舎消防では組織体制がかなりブラックでした。
もちろん田舎消防であっても素晴らしい組織はたくさんあります。
働きやすい環境が整った消防本部が増えてきているのも事実です。
ですから消防士を目指す際は「どこの消防本部を目指すのか?」という視点も持っておいてください。
ちなみにボクが東京消防庁と田舎消防で長年働いた経験を生かして、本来の消防本部選びのノウハウをnoteで公開しています。
冒頭でもお話しましたとおりこのnoteに書かれている内容はネットや書籍には一切載っていない生の情報です。
消防本部選びに失敗したくない人や、どこの消防本部を受験すべきか迷っている人向けの記事となっています。
気になる方は是非覗いてみてください!
※noteに無料登録すれば未公開部分が読めます。
それでは全力で消防士を目指してくださいね。
応援しています!