【これが真実】「消防士がつらい」5つの原因をぶっちゃけます【元消防士が暴露】

田舎の現役消防士なのですが、仕事がつらくて…ぶっちゃけ辞めようかどうか迷っています。

「消防士がつらい」と思う原因をはっきりさせたいのですが…

 

今回はこういった悩みにお答えします。

 

 この記事の想定読者

 

消防士として働くことがつらい現役消防士

 

想定している読者は、上記のとおりです。

 

 この記事の信頼性

 

ボクは、東京消防庁で3年、田舎消防で14年働きました。

 

この記事では、 消防士がつらい原因について解説します。

 

ちなみにこの記事の内容は、某田舎消防でのボクの経験論を基に書いています。あくまでもすべての消防組織がそうではない、ということを先にお断りさせていただきます。

 

 先に結論

 

残念ながら田舎の消防士はつらいです。

 

では始めますね。

 

消防士がつらい原因1:悲惨な災害現場

 

消防士がつらい原因は、悲惨な災害現場に直面する、ということです。

 

これは田舎の消防士であろうと、大都市の消防士であろうと、当然と言えば当然のことなのですが、悲惨な現場に直面すると少なからず自分の感情が揺れ動いてしまいます。

 

消防活動する上で、自分の感情を抑えられなくなるのは、最も危険なことで、感情任せの活動は消防士として絶対にやってはいけないことです。

 

 

上記はボクが実際に経験した事故現場についてのツイートです。

 

このツイートに実は現役消防士の3人のフォロワーさんからリプを頂いています。

 

やはり自分も含めてはっきりした答えが出せていないですし、何よりもジレンマに苛まれているな…と。

 

ボクは当時化学車の機関員として出動していました。

 

運転しながら、「こっちから放水できないんですか!隊長!中に人が見えました!ダメですか!」って感情的になるボクに対して隊長は「ダメだ…活動規定どおり先のインターで折り返してからだ」とバッサリ…

 

高速道路や自動車専用道路を管内に抱えている消防本部は、あらかじめ定められたルールに基づいて現場活動することが決められています。

 

この場合ですと、車線をまたいでの消火活動は禁止されています。なぜなら、二次災害を招く危険性があるからです。

 

ここで感情任せに活動規定を守らず、対向車線に向かって活動を始めていたら、ボクたちの命も危なかったかもしれません。

 

なのでこの時の隊長の判断は当然正しかったんだと思います…自分にはそう言い聞かせていた、というのが本当のところですが…

 

それから時間にして10分程度でしょうか…先のインターで折り返してきて、大渋滞の車の列をかき分けながらようやく事故現場に到着。

 

目にした光景は…

 

呆然として立ち尽くすトレーラーの運転手と多数の事故車、それに燃え尽きた車が1台。

 

ボクたち消防隊が到着したときには手の施しようがありませんでした。

 

大型トレーラーが渋滞中の車の列に突っ込んで、追突された車から出火、他の6台の車を巻き込む大事故でした。犠牲者は燃え尽きた普通車に閉じ込められていた1名の方。

 

ボクは、この時初めて現場で何もできなくなるという経験をしました。

 

活動規定どおりの行動を取ったことによって、救えたはずの命が救えなかったのかもしれない…

 

あの時、もし対向車線から無理やりでも化学車を止めて放水していたら、あの人は助かっていたのかもしれない…

 

自分はあの人を見殺しにしてしまったんじゃないだろうか…

 

現場の光景を見て、そんな絶望感に押し潰されそうになっていました。

 

ボクはこの時初めて消防活動の限界と言いますか、残酷な現実を突きつけられたんですね。

 

っで、事故の処理が終わって、火災調査をするときも結局は虚脱感で何もでず…

 

この時は間違いなく惨事ストレスを受けていました。

 

それまでの自分はどんな現場に行っても、うまくストレスを発散することができていたのですが、この時ばかりはダメでしたね。

 

消防士がつらい原因2:茶番劇な現場活動

 

田舎消防にいた時の話なんですが、ぶっちゃけ茶番劇のような現場活動をやっていました。

 

レベル的にはかなりヤバかったですね。

 

ちなみに下記の記事で、田舎消防の実態についてディスりました。

 

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っでなぜボクがこんな風に感じていたのかと言いますと、過去に3年間東京消防庁で働いていた経験があったからなんです。

 

今から十数年前の話ですが、東京消防庁の現場活動って当時でもそれなりに体系化されていたんですよね。

 

大隊長→中隊長→小隊長っていう、指揮命令系統がはっきりしていました。

 

活動方針も、情報の共有も、無線を駆使して各隊にうまく伝えられていました。

 

それに比べて田舎消防では基本的に慢性的な人員不足で、消防車の乗車人員も3人というギリギリの状態。

 

東京消防庁での消防車の乗車人員は必ず5人乗車でしたので、そのマンパワーの差は歴然としていました。

 

っでさらに当時はそもそも田舎消防に指揮隊がなかった時代。

 

なので活動方針の決定も情報共有もないまま、現場に到着して、「よーいどん!」で現場活動がスタートするわけです。

 

そりゃあもう、やりたい放題の出たとこ勝負。

 

だから結構危なかったですし、誰の指示に従ったらいいのか分からない…

 

他の隊の上司に「オイ!オマエ!ちょっと手をかせ!こっちのホースを延ばせ!」なんて簡単に言われてしまう状況。

 

「あ、でも先輩から…」って言うと「いいんだ、それは置いておけ!こっちだこっち!」なんて感じでしたから、まあ滅茶苦茶…

 

こんな茶番劇が色んなところで繰り広げられているので、それはもう酷い現場活動でした。

 

っで、またあとから本部の偉いさんが来るわけなんです。

 

あとから現場に来たくせに、あーだ、こーだと…

 

 

上記のツイートはボクが田舎消防で実際に経験した「行政伸梯」ってやつです。(こんな言葉があるか知りませんが、まあ、俗に言われる行政注水を文字っています。)

 

現場の隊員が必要ないと判断しているにも関わらず、お偉いさん方の「鶴の一声」で梯子車を使ったということです。

 

なんのための現場活動なんだかさっぱり分かりませんでした。

 

消防士がつらい原因3:闇だらけの組織

 

田舎の消防士として働いていると、この組織の「闇」というものに必ずぶち当たります。

 

世間一般の消防士のイメージってクリアでクリーンで正義感に満ち溢れていて…みたいな感じでしょうが、まあ、妄想に過ぎないです。

 

政治は余裕で絡むし、組織の不都合はマスコミ沙汰になるまで隠蔽するし、職員の不祥事は絶えないし、現場活動なんて素人レベルですし…

 

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まあ、公務員の中でも田舎の消防組織ってブラックです。

 

いやいや、分かっていますよ、「公務員」なんてどこもそんなもんでしょ…ってなりますが、一般行政職員としてではなく、消防職員という立場で働くことに、ジレンマが生まれるわけなんです。

 

繰り返しになりますが、消防士に対する市民のイメージは、クリアでクリーンで正義…

 

っで本当のところはブラック企業と同等レベル。

 

つまり、市民が抱く消防へのイメージと消防組織の実態は180度違うわけなんです。

 

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消防士がつらい原因4:やっつけ訓練

 

現場活動のための訓練にしたってまあ現実離れしているというか、訓練のための訓練をしているような状態。

 

圧倒的にやっつけ訓練ですよね。

 

「今日の消防活動訓練の想定は、いつものとおり訓練棟の2階から出火。逃げ遅れとして、コータロー(訓練用の人形のことです)を置いておくので、それを応急梯子で救出、その後に消火活動に展開するように。」みたいな訓練をやるわけです。

 

このような救出方法ってぶっちゃけ現実離れしていませんか?現職の方ならお分かりだと思いますが、わざわざ三つ打ちロープで三重もやい結びを作って、救出しますか?しないですよね?

 

応急梯子で救出するとしても、ハーネスを使うでしょ?って話です。しかも、応急梯子で救出するシチュエーションって、要救助者の背後に炎が迫っていて、本来なら救出用のロープをダブル(2本束ねて使うことです)で使わなければならないところを、切羽詰まっているという事情で仕方なくシングルで救出するという想定です。

 

さらに、火炎が噴き出している状況ならば当然、空気呼吸器と面体を着装、しころ、フードもしていなければなりません。(すいません、現職の方以外は意味が分からないと思います。とりあえず、現場では使わない訓練をしているってことです。)

 

けどやっていませんよね。

 

なぜでしょうか?

 

上司が危ないから、面体はやめておけ、って言ってませんか?

 

しころとフードは視界が悪くて転落すると大変だから今回は無しで行こう、ってなりませんか?

 

そういうところです、消防がやっている訓練が現実離れしている、というのは…

 

多くの火災現場では、現場到着したならば、出火建物の住所の確認、出火箇所と燃焼物の特定、延焼危険の見極めをしつつ、要救助者と世帯者情報、活動する際の危険情報、延焼方向の確認をして、自隊の活動方針を決めるという作業があります。

 

もちろん、この作業は隊長が行いますが、隊員レベルでも分かっていなければなりません。

 

なので本来行うべき訓練というのは、隊員レベルでも現場状況を把握し、判断できる能力を養うものでなくてはならないんです。

 

そういった訓練がどうしてかできない…というかやらない…

 

昔からやっている現実離れした訓練をやって満足して、完全に思考停止しています。

 

こういうことが見えてしまと、消防士の仕事に対して、どうしようもないつらさを感じるようになります。

 

こんなのプロじゃない、こんなことをやっているようでは、いつまでたっても市民の期待には応えられるはずがない、って…

 

結局、消防士として働くと理想と現実のギャップにぶち当たって、圧倒的に消耗してしまうわけなんです。

 

消防士がつらい原因5:ネチネチ、ドロドロの人間関係

 

消防士がつらいと思う原因のほとんどは人間関係です。

 

ネチネチしているというか、ドロドロしているというか、もうホントにいやらしい…ぶっちゃけ消防士の人間関係ってホントにクソです。

 

 

これは消防士独特の仕事柄によるものなんですね。

 

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上記の記事内で詳しく解説していますが、消防士は命がけの仕事であるため、現場活動ではミスのないきめ細かさが求められます。

 

本来、現場活動で発揮されなければならないきめ細かさが、消防署内での仕事や勤務にシフトしてしまい、人間関係に悪さをしてしまいます。

 

これこそが消防組織にパワハラやモラハラを生み出す土壌となっているのは、紛れもない事実です。

 

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人間関係に苦しむ消防職員が本当に多い…

 

実際にボクも長年思い悩まされましたし、実際にうつ病にかかってしまったこともあります。

 

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市民からの期待や信頼が寄せられる消防組織で、職員の精神を崩壊させてしまうなんて、ホントにクソです。

 

「消防士がつらい」という原因をぶっちゃけます…のまとめ

 

ボクの経験上、消防士がつらいと思う原因は以下の5つです。

 

  • 消防士がつらい原因1:悲惨な災害現場
  • 消防士がつらい原因2:茶番劇な現場活動
  • 消防士がつらい原因3:闇だらけの組織
  • 消防士がつらい原因4:やっつけ訓練
  • 消防士がつらい原因5:ネチネチ、ドロドロの人間関係

 

消防士として働くと、上記の4つの問題には間違いなく直面します。

 

ちなみに、ボクが消防士を辞めた理由は、単純にこういった問題に絶望したからではありません。

 

もちろん、途方もないジレンマに苦しんだ時期もありましたが、本当の理由は自分らしい人生を送りたかったから。

 

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今思うことは、消防という不可解な組織から解放されたことは、心身的にかなりメリットがあったと思います。

 

フリーランスというのは、どのように生きようと自由ですし、組織に属していないのでそもそも束縛されるものがありません。

 

ただし、ぶっちゃけ論を言いますが、フリーランスは厳しいです。

 

自分で仕事の案件を探しつつ、収入を確保していかなくてはいけません。週休日や有給休暇はもちろんありません。

 

ぶっちゃけ、消防人生をダラダラと送って給料を貰っている方がいいに決まっています。

 

底なしの「闇」さえスルーできれば、消防って圧倒的に楽ですよ、はっきり言って。

 

不祥事を起こさなければクビになることはないですし、給料は毎月きちんと支払われます。ボーナスも年2回しっかり支給されます。

 

こんなに恵まれた仕事はないですよ。

 

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しかし、自分らしい人生を送れるか?というと決してそうではありません。

 

どんな気持ちで消防士として働こうが、この先、悲惨な災害現場で心に傷を負うこともありますし、不毛な現場活動に自問自答せざるを得ない時が必ず来ます。さらに、消防特有の「闇」に直面して、絶望的になることもあるかもしれません。

 

ですからもし、あなたが消防士として働くことに疑問を感じているのなら、自分らしい生き方を探し始めてもいいんじゃないかと思います。

 

消防士として生きていくことだけが、あなたの人生ではありません。

 

新たな一歩を踏み出すことによって、あなたの人生は間違いなく大きく変わるんですからね。

 

今回は以上となります。