【消防士のあるある】消防署での生活ってこんな感じです

消防士の24時間勤務のあるあるネタを教えてください。

ぶっちゃけ、食事とか風呂とかはどうしているんですか?

 

今回はこういった疑問にお答えします。

 

 この記事の想定読者

 

消防署でのあるあるネタや、リアルな消防署生活を知りたい人

 

想定している読者は、上記のとおりです。

 

 この記事の信頼性

 

ボクは東京消防庁と地方消防でトータル17年間消防士をしました。

 

この記事では、消防署でのあるあるネタについて解説します。

 

消防士のあるある【消防署編】①:恐るべしハイエナ集団

 

消防署の食堂って「ホットステーション」的な存在でして、お菓子や果物、冷蔵庫には漬物、魚なんかが途絶えません。

 

これ、実はほとんどが署員からの差し入れでして、公休日に色んな所に行っては、お土産を買ってきてくれるんですね。たとえば、釣り好きの署員がいる所属では、上記のように魚を持ってきてくれたりして、刺し身を頂ける日があったりするんですよ。

 

まあ、その数々の差し入れなんですが、何せ驚くほど売れ行きが早い…はっきり言ってみんなハイエナレベルです。わりと甘党の消防署員って多いのでチョコレート系のお菓子なんかは一気に無くなります。

 

家で食べなくなった賞味期限切れのお菓子や、ご近所さんから貰ったちょっと食べるのに勇気がいるお土産系なんかを消防署の食堂に置いておけば、ほぼ確実に処分することができてしまいますので、署員の胃袋は強靭です。

 

消防士のあるある【消防署編】②:麺類はチャレンジャーの証

 

消防署での食事は基本的には夕食のみ自分たちで作って「同じ釜の飯」を食べます。ちなみにボクが東京消防庁に在職していた時は、翌朝のメニューは全署員、うどんかそばで統一。夜にはダシの仕込みをしていました。今でもこの風習は残ているのかな…

 

一方昼食は自由で、自分で弁当を買ってきたり、愛妻弁当があったり…まあ、色々なんですが、消防士ってやっぱりマメでしてね、昼食も自分で作る人が結構多いんですよ。

 

レトルトカレー、カップラーメンはもちろん、チャーハン、餃子、だし巻き、野菜炒め、鍋焼きうどん…これを超手早く作ってしまうんですね。

 

ただね、パスタを作る署員がいるんですよ…

 

救急隊で無類のパスタ党の女性隊員がいたんです。やっぱり食べるものには彼女のなりのこだわりがあって「せめて昼食くらいおいしいのが食べたい!」ってことでした。毎当番昼食は決まってパスタ。調理中なんてすごく嬉しそうにパスタをゆでるわけです。

 

パスタの湯で時間は概ね7分。湯を切ってソースの準備とトッピングを爆速でやっても10分はかかります。するとね、やっぱり調理中に出動指令が流れるんですよね。その時はもう仕方がないんです。残留隊の若手が調理を代行したり、ありがたく頂戴したり。

 

救急隊で麺類、とりわけパスタなんてはっきり言ってチャレンジャーでしかありませんが、おいしいものを食べると午後からの仕事も頑張れますもんね。

 

消防士のあるある【消防署編】③:エンドレスコインランドリー

 

消防士はホント洗濯好きです。

 

現場出動があると、執務服、Tシャツ、靴下、おパ〇ツ…もう汗だく。なので24時間勤務をする消防職員は、だいたい自分のカバンに着替えを3セットくらい忍ばせてきます。

 

まあ、現場だけならいいんですがもちろん、訓練、消火栓点検、防火水槽の草刈り、資器材の整理…一日中汗をかきます。

 

そうすると洗濯機がフル稼働します。だいたい恵まれている消防署で洗濯機は2台あるのですがそれでも追いつきません。たとえば午前中に訓練、夕方に火災出動があると、ほぼ夜中までコインランドリー状態です。

 

洗濯機の横には、隊員たちの汗だくの洗濯物が山積みでして、どこかの合宿所に来たのではないかって感じです。

 

消防士のあるある【消防署編】④:風呂場での活動時間は3分

 

消防署で24時間勤務をしている隊員はもちろんお風呂に入るわけですが、この入浴中に出動指令がかかると、わりと心理的にダメージを受けてしまいますね。

 

たとえば、身体が泡だらけの時に「ピー、ピー、ピー、」って火災指令が流れたらどうするか?「浴槽に飛び込む」です。一刻一秒を争いますので、流暢にシャワーで流してられないんですよ。だって自分がまだ脱衣所にいるタイミングで、他の隊員たちはすでに防火衣に着替えているわけですから、そりゃあ焦ります。

 

五本指の軍足なんか履いていると、小指が薬指のところに入ってしまって気持ち悪かったり、そもそも身体も満足に拭き切れていないので、もうすでにべちょ濡れ…

 

なので入浴中のダメージを最小限にとどめる為に、他の隊員に「風呂に行きます宣言」をする、ズボンとパンツは重ねて脱いでおく、ことはもちろん、浴室に入ってからが勝負です。

 

ボクは現職中、3㎜程度の坊主頭でしたので、ぶっちゃけシャンプーとリンスは使いませんでした。桶で固形石鹸を湯で溶かして、高速で泡立てて頭からその泡を「エイや!」って被るだけです。その間にこれも賭けなんですが、T字のカミソリでヒゲを剃ってしまいます。

 

最後にシャワー全開で泡を洗い流せばこれで概ね3分です。脱衣所での拭きとりは身体のみ。頭なんて自然乾燥で脱衣所から事務所に向かう途中で勝手に乾きます。坊主頭だと3分あれば入浴なんて余裕でできてしまいますので、消防士にとって坊主頭は神ですね。

 

消防士のあるある【消防署編】⑤:ミッドナイトサーファー

 

これ、オフレコですよ。流行に敏感な消防士はスマホが普及し始めるとすぐに手に入れていました。今から10年位前でしょうかね?スマホが普及しはじめたのは。電池が5、6時間で切れてしまうようなやつです。

 

今でこそボクもスマホですが、当時はまだパカパカ携帯、ガラパゴス携帯ってやつでして電話と―メールができればいいや…的な感じでした。

 

でもねスマホって、24時間勤務する消防士にとって強い味方なんです。仮眠室に入るとみんなポチポチやっているわけです。ボクの在籍していた地方消防の仮眠室は間仕切りカーテンがあったんですが、それでもスマホの灯りがぼんやり見えるんですね。

 

仮眠時間って基本、寝ようが起きてようが自由なのでみんなネットサーフィンしまくるわけです。まあ、ぶっちゃけボクもこの仮眠時間に色んな勉強をしていたんですが、消防士は夜中にサーフィンしまくるわけです。オフレコですよ、くれぐれも。

 

消防士のあるある【消防署編】⑥:仮眠室の多重奏で寝不足

 

恵まれた消防本部の仮眠室って個室の場合がありますが、まだまだそんなところは少ないのが現状でして、未だに2段ベッドのところもあります。

 

夜中の出動って毎当番あるわけではなくて、火災出動は3回/月くらいですかね。そうすると、あとの当番日は何もなく朝を迎えることができるわけです。

 

まあ、あくまで仮眠ですので睡眠の質はよくありませんが、それでも夜中の出動がなければそんなに身体がダメージを受けることはないはず…でも、寝不足になるんです。

 

いびきと寝言です。その常習犯がいる消防署でははっきり言って寝られません。出動があろうとなかろうと次の日はぐったり。耳栓してると出動指令が聞き取れないのでどうしようもないです。横を向いて片耳を枕に押さえつけつつ、もう片方の耳を手のひらで塞いで、なんとか押し寄せる眠気にうまくの乗っかるしかありません。

 

こう考えるとやっぱり過酷な仕事です、消防士って。

 

消防士のあるある【消防署編】⑦:勤務交代の30分前から時計が止まる

 

消防士の勤務時間は8時30分から翌朝の8時30分までの24時間。

 

東京消防庁では3交代制勤務といって、1部、2部、3部の3チームが順番に勤務するパターンでした。たとえば1部の署員が24時間勤務から解放されるのは、翌朝8時30分に2部のチーム員に引き継いでから。

 

とすると、8時10分くらいに出動指令がかかれば、1部の署員が出動します。すると「もうすぐ自宅に帰れる」って思いで待機している消防署員にとってはその夢を断たれるわけです。

 

ぶっちゃけ、勤務交代前の出動って、「ゴール目前で振り出しに戻される」感じでしてメンタル的にはまあまあ萎えるわけです。(いや、もちろん消防車に乗り込めば、そんな憂鬱な気分は吹っ飛んでいますが。)

 

現場活動だけでなく、消火活動後の火災調査ももれなく付いてきますので、下手すりゃ帰宅は夕方なんてこともありますから。

 

なので交代前の8時くらいから署員の目は事務所の時計へと向けられます。もちろん、みんなチラ見です。マジマジ見てると勤務交代を待ち受けている感を出してしまいますから。でもやっぱり意識すると、3分に1回程度時計を見てしまいす。すると、全然時計の針が進まないんですね。そりゃそうです、3分しか進んでいないんですから。

 

いやあ、ホント最後の30分はドキドキします。

 

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